【プロジェクトの紹介】
アフリカ大陸南部に位置するザンビア共和国の首都ルサカには、国民への基本的な保健サービスを提供する保健センターは数多く存在するものの、手術等を行える病院数が絶対的に不足している状況であり、また、高度な医療サービスを提供するザンビア大学付属教育病院でも深刻な混雑状況が慢性化しているため、地域住民の身近に起こりうる病気や帝王切開を含む基本的な手術が可能な1次レベル病院の設置が求められていました。
このような状況を受け、ザンビア保健省は、ルサカにおける主要な５つの地域で持続的な経済成長を支える社会基盤の整備に寄与することを目的に、１次レベル病院施設の強化・機能の拡充を行うことを計画し、ザンビアへの無償資金協力を進めていた日本政府も独立行政法人国際協力機構（JICA）を通じ、2017年に本事業の先行プロジェクトとなる「ザンビア国ルサカ郡病院整備計画」において、マテロ及びチレンジェ地区の２ヶ所の1次レベル病院の整備を行いました。本プロジェクトはそれに続く第二次計画として、チパタ、カニャマ、チャワマ地区の残り３ヶ所の病院整備を行ったもので、この一連の病院整備により恩恵を受ける地域住民はルサカ郡の総人口の約半数にのぼります。
3つの病院の同時着工と同時竣工という工程上の制約、稼働中の既存病院に隣接した敷地での工事という場所的な制約がある厳しい条件の中、更に新型コロナウイルスの感染拡大により6か月間の工事中断を余儀なくされましたが、スタッフ一丸となってこれらの困難を乗り越え2021年１月に無事竣工を迎えました。