シンガポール 地下鉄トムソン・イーストコースト線建設工事 226 工区

【受賞者】大成建設株式会社
【実施者】大成建設株式会社
【実施地区/国】マリーナベイ地区/シンガポール共和国

【プロジェクトの紹介】

地下鉄トムソン線は、国土を南北に縦断する全長約30km、計22駅で構成される第6番目の路線として建設されました。現在、更に延伸しチャンギ国際空港まで東海岸沿いに施工が進められており、全長約43km、計31駅から成るトムソン・イーストコースト線と呼ばれています。

当プロジェクトは、南部沿岸部の観光ならびに金融の中心と云われるマリーナベイ地区に位置しており、2つの既存地下営業駅(南北線、環状線)に近接施工となる新駅の建設のほか、2本の既存地下営業線(南北線、環状線)が交差する直下でかつ離隔ゼロの歩行者地下トンネルと、その更に以深の上下2本の軌道トンネル工事が含まれていました。

当該施工部の地盤は、表層の下にマリンクレイと呼ばれる超軟弱層とOA層と呼ばれる被圧帯水層から構成されており、これらの地盤対策と上述した近接する既存構造物への影響を最小限に抑えるため、設計・施工両面において慎重な計画と実施が要求されました。シンガポールでは初となる水平地盤改良工や圧気併用開放型矩形シールド工、さらに凍結工など、本邦技術を十二分に駆使し、無事に工事を完成させました。

本プロジェクトは、シンガポールにおける将来の大深度化・複雑化する地下インフラ開発に新たな可能性を拡げたのみでなく、都市インフラの開発が進む他のアジアの都市においても、地下空間の高度利用に関わる土木技術の発展に貢献するものと考えています。