地下鉄トムソン・イーストコースト線アッパートムソン駅およびトンネル工事(T212 工区)

【受賞者】佐藤工業株式会社
【実施者】SATO KOGYO (S) PTE. LTD.

【実施地区/国】ビシャン地区/シンガポール共和国

【プロジェクトの紹介】

シンガポールにおける6番目の地下鉄新線である地下鉄トムソン線は、LTA(陸上交通庁)発注のシンガポール島を南北に縦断する路線であり、北はマレーシア国境近くのウッドランド地区から南はカジノ・植物園でにぎわうマリーナ地区を結ぶ全長約30㎞、22駅を含む全25工区からなっています。2013年より北部のウッドランド地区より順次着工し、2020年1月に3駅、2021年8月に当プロジェクトを含む6駅、2022年11月に11駅が開業したところです。

当プロジェクトは、トムソン線のほぼ中間に位置する地下2層のアッパートムソン駅(延長 228m)、当駅と隣工区のカルデコット駅の中間に位置する発進立坑および4 本のシールドトンネル(掘削延長約 3.9km)を構築するものです。地下駅は、非常に狭い作業ヤード、多数の地下埋設物、一般民家との超近接施工などさまざまな厳しい条件下で幹線道路直下に逆巻き工法により構築しました。トンネルは、岩盤と軟弱地盤が混在するミックスフェースと呼ばれる複雑な地質条件下で3台の泥水式シールドマシンの同時稼働により掘削しました。施工に際しては、シンガポールでの50年間の経験とICT技術をふくむ新技術を活用し、8年間という長い期間を通じて地域住民との交流を積極的にはかり、発注者、協力会社ならびに本社支店の協力を得ながら工事を進めました。当プロジェクトは、その地質条件、施工条件からトムソン線の中でも最も難易度の高い工区の一つであったが、無事に開業の日を迎えることができ、同国の地下鉄ネットワークの更なる発展に貢献できました。