クイーンシリキットナショナルコンベンションセンター 建て替え工事

【受賞者】株式会社大林組
【実施者】タイ大林
【実施地区/国】バンコク/タイ王国

【プロジェクトの紹介】
 本件は、タイ国バンコク都中心部のタイ財務省の敷地にて、既存のクイーンシリキットナショナルコンベンションセンター(QSNCC)を建て替える工事です。既存のQSNCC は、タイ国初の多目的コンベンションセンターとして、約30 年にわたり国際レベルの会議開催地となり、同国のランドマーク的存在でした。老朽化と敷地の効率利用の為、2019 年9月より既存建屋を解体、翌年1月より本体工事着工、2022 年11 月にタイで開催予定のアジア太平洋経済協力(APEC)会議開催を目指し、建替えプロジェクトがスタートしました。
 
中央最上階に最大110m × 198m の無柱空間を持つ複層の展示ホールと、外周に大小50を超える会議室を有するタイ国最大規模(延床約29 万㎡、地下2階、地上3階)のコンベンションセンターを、32.5 ヶ月の短工期で完成させる全体施工計画を立案しました。外周部躯体を地下・地上共に先行施工し、中央部展示ホール無柱空間大屋根施工はスライド工法を採用、中央部は大屋根工事と同時に下部地下工事を並行施工する手順とし工期短縮を図りました。
 
工期中にはコロナ禍による労務者宿舎と建設現場の閉鎖や作業員の移動制限の命令を受け工程が遅延しましたが、徹底した防疫対策、大屋根スライドステップの見直し、省人化工法採用による工程回復策が奏功し遅延回復、当初工期通り竣工、2022 年11 月には各国首脳と関係者5,000 人以上が参加するタイAPEC 会議が無事開催されました。