シンガポール国 地下鉄T219工事

【受賞者】五洋建設株式会社
【実施者】五洋建設-Bachy Soletanche 共同企業体
【実施地区/国】オーチャード地区/シンガポール共和国

【プロジェクトの紹介】
 シンガポールの地下鉄網MRT(Mass Rail Transit)は1983 年に建設が始まり、現在も拡張を続けています。その6番目の路線であるトムソンイーストコースト線全39 工区のうち、当社は3つの工区を施工しました。
 このうち今回ご紹介するのは、シンガポールの繁華街であるオーチャード地区に位置するT219工区です。主な工事内容は、①駅舎の新設、②トンネルの新設、③新設駅舎と既設オーチャード駅(MRT 南北線)を結ぶ地下連絡通路の構築でした。特に③の地下連絡通路は、商業施設に囲まれた既設オーチャード駅直下におけるアンダーピニングによる地下空間の構築と、パイプルーフ工法による幹線道路の地下横断からなり、厳しい工期設定のもと、地盤変形挙動に対する厳しい制限が設定された技術的難易度が高い工事でした。
 既設駅直下の地下空間構築においては、多機能削孔機の導入および水平地盤改良の採用により、工期内完成と地盤変形抑制の両課題を克服しました。また、パイプルーフ工法による地下横断においては、引き戻し可能な推進機の採用や、転石状況に応じたパイプルーフの配置計画の見直し等により、施工リスクを回避し、安全な施工を実現しました。
 これらの取り組みにより、周辺の商業施設の営業に有害な影響を与えることなく、1,000万時間の無災害記録と工期内完成を達成することができ、発注者から高い評価を頂くことができました。