ナムグム第一水力発電所拡張工事 Lot.1

【受賞者】株式会社安藤・間
【実施者】株式会社安藤・間
【実施地区/国】ヴィエンチャン県 タラット地区/ラオス人民民主共和国

【プロジェクトの紹介】
 「ナムグム第一水力発電所」はラオスの首都ヴィエンチャンの北方約65km にある重力式コンクリートダムであり1971 年に日本の技術協力により完成。その後1984 年に拡張工事が行われ、5基の発電機を有する総出力155MW の水力発電所です。当発電所はラオス電力発電株式会社(EDL‒Gen)が所管・管理を行っており、総貯水量70 億㎥の広大な貯水池を持ち、季節調整効果による安定的な発電運用が可能です。
 ラオスの電力需要は供給を越える勢いで伸びており、現在も新規および拡張工事が多様な事業形態にて同国内で数多く展開されています。「ナムグム第一水力発電所拡張工事」は1995 年の世銀マスタープランで提唱された後、日本のODA 事業に移管されて2017 年に着工を開始しています。本拡張工事ではダム堤体穴あけにより新たに取水口を設けるとともに6基目の発電機を新設し、発電能力を40MW 向上させることが目的です。
 本工事の大きな特徴としては、【東南アジア初となる水中での密閉型仮締切を設置して施工を行う既設ダム堤体穴開け】と【稼働中の既設発電所に隣接する非常に狭隘かつ作業が輻輳する施工箇所に構築される新規発電所】であり、技術的に難易度の高く施工上の工夫を要しました。
 また、2018 年には緊急放流による作業ヤードの水没、2020 年には新型コロナウイルスの発生による労務不足・材料調達の遅れなどさまざまな問題が発生するも、無事故無災害で竣工を迎えることができました。