オフショアマリンセンター2

【受賞者】五洋建設株式会社
【実施者】五洋建設株式会社
【実施地区/国】トゥアス地区/シンガポール共和国

【プロジェクトの紹介】
 シンガポールはアジアのハブとして様々な事業の中心地となっていますが、その中でも良質なインフラを背景に、船舶や海洋構造物等の製造、整備、修理等における高い技術の提供は特に重要な事業となっています。
 本工事はシンガポール西部のチュアス地区に位置するオイル/ガスなど海洋資源開発関連企業の支援基地を設計施工で建設する工事で、主な施設は特殊船舶用の岸壁、オイルリグ関連資機材を組立・整備するためのバックヤード、管理棟、配電設備施設です。
 
バックヤードは、大きな設計荷重(250kPa)に対して、全域をプレストレスコンクリート杭(PHC杭)で支持する構造としましたが、多くの杭(約6,000本)を短期間で打設することから施工の効率化の目的で、IDDプラットフォームを活用しました。IDD(Integrated Digital Delivery)とは、建設プロセスの統合と関係者の連携を目的としたデジタル技術活用のことで、シンガポールにおける建設DXと位置付けられています。施工状況とBIMモデルを瞬時にリンクさせ活用することで、杭打設順序、杭打機の配置、必要杭長の推定等を仮想空間で最適化することができ、品質や生産性の向上を実現しました。
 
新型コロナウィルスの影響で、発注者からの現場引き渡し遅れ(7.5ヶ月)、作業員不足や感染対策による進捗遅れ(9.5ヶ月)がありましたが、発注者と合意した修正工期内の工事完成を重大災害ゼロで達成することができ、発注者から高い評価を頂きました。