【プロジェクトの紹介】
シンガポール北部のマンダイ野生生物保護区に位置するバードパラダイスは、敷地面積約 23 万㎡にわたる新設の『鳥の動物園』で、400 種を超える鳥類が3,500羽以上飼育されています。世界で絶滅の危機に瀕している鳥類の一部を保護しており、これらの鳥を間近で観察できる機会を提供しています。バードパラダイスの鳥かご(エイビアリーメッシュ)は世界最大級の大きさで、ステンレスのケーブルとメッシュで構築され、鳥の安全と健康を確保しています。来園者は安全に鳥たちが暮らす環境の中で一体感を味わうことができ、東南アジア、ニューギニア、オーストラリア、アマゾン、南アフリカ、南極等地域別に生息する鳥の生態に接することができます。
また、鳥たちの生態を魅せるだけでなく、絶滅の危機にさらされた生物を保護することで、次世代へ教育の場を提供する機能を果たし、世界中の自然愛好家や保護活動家にとって必見の訪問地となっています。上記の特色から施工面の検討課題として以下のことが挙げられました。
① 既存野生動植物保護を優先とした敷地約 23 万㎡の大規模な敷地に対する施工計画の立案と実施
② 高低差約 35m の敷地に点在する鳥かごを有する各施設の施工計画
バードパラダイスの建設は、その複雑な設計と既存生物保護への配慮から、大きな制約とリスクを伴ったプロジェクトでした。また、元の自然地形を最大限維持することが求められました。世界最大級の鳥かごは最大 35 トン、最長 30.2m を含む 170 本の鉄骨支柱があり、その精度管理が重要でした。さらに、全 8 箇所の鳥かごのステンレスメッシュは、約 10 万㎡あり、大規模なステンレスワイヤーの緊張とステンレスメッシュの縫合の施工が必要でした。