【プロジェクトの紹介】
バングラデシュでは経済発展に伴い鉄道輸送需要が増加する中、ジャムナ川に架かるジャムナ多目的橋は道路・鉄道併用橋として重要な役割を担うものの、振動問題やコンクリートひび割れが進行し、速度・重量制限、運航遅延等が生じ、対応策が喫緊の課題とされていました。本事業は日本の円借款により同橋の上流300mの位置に、並行する鉄道専用橋を新設し、安全性向上と物流効率化を図る事業です。上部工には本邦技術でライフサイクルコストの低減に寄与する耐候性鋼材が採用され、将来の再塗装を不要としています。
本件を受注した2020年4月は、まさに新型コロナが本格化した時期であり、渡航制限や隔離措置により人員不足が深刻化しました。さらに2024年8月には反政府運動によりハシナ政権が崩壊し、政情不安から通信遮断や外出禁止令が発令され、要員・資機材輸送が滞りました。加えて、ジャムナ川は世界有数の流量を誇り、雨季の流速上昇と乾季の水位低下による河床浚渫が工程管理を阻みました。こうした自然環境、世界情勢、政情不安等の影響による前工程の遅れを挽回するために、日平均500名規模を動員し、鋼トラス橋の架設では7チーム編成による工期短縮を実現しました。その結果、プロジェクト全体の工期管理と安全施工を両立し、将来の鉄道輸送需要に応える重要インフラ整備を完成させ、2025年3月18日の開通式を無事に迎えることが出来ました。